株価上昇?産業用火薬を製造している企業6社

先日、米軍が日本企業から火薬の調達を検討しているというニュースが報道されました。

ウクライナに軍事的な支援を行っている米国ですが、砲弾に使用するTNT(トリニトロトルエン)が現在不足しているようです。

ウクライナ支援のための砲弾に使用する火薬を求めているのか、米国内部で工業用に使用する火薬を確保するためなのか、輸出するとすれば、前者であれば世論の反発もありそうなので後者の理由で輸出されることになるのではないかと考えています。

 

ただ国内でTNTを製造している企業は 中国化薬株式会社 の1社しかなく、その企業も米軍から直接要請を受けてはいないとする旨のニュースが出ています。

現時点でどの企業が要請や打診を受けているかはわかっていませんが、今後防衛産業の拡大という気運が高まっているので、工業用火薬を扱っている上場企業を6社ピックアップしてみました。

火薬自体は民間でも使用されるものなので外国へ輸出することが可能となっています。

4274 細谷火工

PER:50.9倍

PBR:2.09倍

今回の報道が出た際、真っ先に株価が上昇した企業になります。

思惑買いが殺到した格好になりますが、上昇後に売りが強まっています。

細谷火工では防衛省自衛隊向けに火工品を、民生品として発煙筒や照明、信号弾なども取り扱っています。

2023年1月をピークに下落基調でしたが、長期では上昇を続けていますね。

現在のPERが50倍超えと割高感があります。

4275 カーリットホールディングス

PER:7.9倍

PBR:0.55倍

チャートを見ると乱高下を続けているものの、こちらも報道後に急上昇した銘柄となります。

産業用火薬のほかにも、ロケット燃料関連の化学品製造やコンデンサなどの電子部材を取り扱っています。

株価には割安感があります。

4272 日本化薬

PER:19.7倍

PBR:0.81倍

日本最初の産業火薬メーカーである日本火薬製造株式会社を前身にもつメーカーとなっております。

産業用火薬はじめ、車載用の部材や医療部材を製造しています。

財務業況に関して自己資本比率が直近で75%を超えており、余剰金も増加していっていることからキャッシュがかなり豊富な企業です。

またPBRが1.0以下ということで、東証がPBR1倍割れの改善を促していたので、今後改善が期待できるかもしれません。

4403 日油

PER:17.1倍

PBR:2.03倍

右肩上がりで株価上昇が見られます。

こちらも産業用火薬や医薬原料、防犯関連など様々な商品を取り扱っています。

2020年以降の直近3年は毎年売上高を更新し、1株益も着実に上昇しているため、財務状況は良いのではないかと思います。

6111 旭精機工業

PER:29.9倍

PBR:0.40倍

旭精機工業は名証に上場しています。

下落してきて新たな買い場かと思えばPERは約30ほどあります。

まだ下落余地がありますが、財務状況に関して直近売上は上昇傾向にあります。

自己資本比率も近年ずっと60%以上を維持しており、事業への投資CFも増加傾向なので健全な財務状況ではないでしょうか。

6208 石川製作所

PER:66.1倍

PBR:1.97倍

自衛隊向けに火薬や機雷を、民生品として製函印刷機など紙工機械のメーカーです。

売上の内訳に関しても、以下のように防衛機器が同社で一番となっています。

今後、政府の動向含め防衛産業に追い風となったとき株価がどうなるか超チェックです。

紙工機械:27億43百万円

受託生産:18億38百万円

防衛機器:75億43百万円

まとめ

防衛産業が盛り上がりを見せるなか、こういった企業があることを知っておいて損は無いのではないかと思います。

今後も要チェックのセクターではないでしょうか。

今回紹介した企業以外にも多くの防衛産業に携わる企業があるので、いろいろと調査することで大きな発見があるかもしれません。