夜勤明け、アパートの階段を登り自室を目指す。
さっきコンビニで温めた弁当を持ちながら。
周囲はまだ薄暗い。
そこでふと足を止めて思う。
「こんなんずっとは無理」
つまるところ仕事が辛いのだ。
いや正確にいうと、仕事自体はまだいいが職場の人間関係が終わってる。
パワハラぎみの上司に高圧的に先輩社員。
一緒にいたくねぇ。
もうほんと会話すらしたくない。
いったい何の罰ゲームやねん、これ。
当方、派遣社員なので現場を変えればいいだけの話なのだが、もはやそういう問題ではない。
次の現場の行ってまた同じような人間がいたら?
この先もずっと同じことを繰り返すのか?
労働者として生きていく限り一編たりとも本質的な解決になっていない。
結局同じことの繰り返しになるのは目に見えている。
本当にうんざりだよ。
いやとうの昔にそうなっていたが、この輪から抜け出す気概が無かった。
アパートの階段を見ながら決心する。
「もう終わりにしよう」
会社辞めようと思います。
転職はしません。
転職したとしても事態は好転しないことに気付いたから。
今考えると仕事を通して嬉しかったことなどあっただろうか。
一個も思い浮かばない。
辛い記憶しか出てこない。
金曜日の夜に安堵し、それ以外はずっと苦しんでいる。
もはや何のために働いているのかよくわからない。
働くことに何の意義も見出せていない状態が永遠に続いている。
最低限生きるために働くという前提はあったが、働けば働くほど気力を奪われていまっている。
少ない休みで気力を回復させて、なんとか自分を現場へ向かわせる。
マジでこれどういう状況やねん。
本当にこんなのを一生続けるつもりか?
心底イカれてる。
俺はここで降りるよ。
じゃあ代わりに何やるねんっていう。
トレーダーになります。
これガチね。
もはや今自分がやっていることは緩やかな自殺。
急激な死を迎えないようにするための行動にしか過ぎない。
ただ行き着く先はだいたい同じ。
仮にこれからやることで大爆死したとしても、それってもはや今の状況の延長と本質は一緒やん。
場所とタイミングが変わるだけ。
今のまま緩やかに死ぬぐらいなら、株式投資で大爆死するか富裕層になるかのどちらかに張ろうと思う。
もう何も怖くない。
行き着く先は同じだから。